他には？

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相手の思考を広げるためのシンプルな質問！

シンプルで短い質問ほど、パワフルで相手に深い思考を促します。「他には？」と訊くことで相手の思考を広げ、行動の選択肢を増やします。

ワークの目的	相手の思考を広げる質問を理解する
対象者	どなたでもＯＫ
時間の目安	約１０分
人数	２人（ペア）
準備	ー

ねらいと効果

コーチングでは、難しい質問は必要ありません。シンプルで短い質問ほど、相手に深く刺さります。ここでは、相手の思考を広げ、行動の選択肢を増やすためのシンプルな質問「他には？」を取り上げ、ワークを通してその効果を体感します。

「他には？」で気づいた選択肢は、自分のアイディアなので、意欲が湧いて、主体的な行動に繋がることが期待できます。

進め方

２人一組のペアをつくります。

「２人一組のペアをつくり、机を間に挟まないで、向かい合って座って下さい。」

「ＡさんＢさんを決めて下さい。Aさんは「話し役」、Bさんは「聴き役」になります。」

進め方を説明します。

「まず、ＢさんがＡさんに次の質問をします。」

「もし、神様が何でも願い事を叶えてくれるとしたら何がいいですか」

「Aさんは答えます」

「答えを聴いたら、Ｂさんは「他には？」と質問します」

「Aさんは答えます」

「答えを聴いたら、Ｂさんはまた「他には？」と質問します。」

「Aさんは答えます」

「この流れを、３分間、時間が来るまで繰り返してください。」

準備が出来たら、開始。　

「では、始めて下さい。３分間です。」

3分経ったら、役割交代。　

「ＡさんＢさん、役割を交代して下さい。３分間です。」

終わったら、話し役を体験した時の感想を、数名に訊きます。

「話し役をした時、相手に質問されて、どんなことが起きましたか？」

ワークの効果を最大化するコツ

❑ 聴き役が、話し役の答えを待てるかがポイント！

　聴き役が「他には？」と訊くと、話し役はその質問に答えようと一生懸命考えると思います。恐らく、すぐには答えが出てきませんよね。すると、シ～ンと沈黙の時間が流れます。この沈黙の時間って、皆さんはどれくらい待てますか？人によっては、その沈黙の時間が怖くて、不安になり、つい聴き役の方から沈黙の時間を破って、口を割って話してしまうことはないでしょうか。

　でも、聴き役が沈黙を破ってしまうと、話し役が一生懸命考えていたことは、どこへ行ってしまうのでしょうか。話せないので、自分で飲み込むしかないんですよね。

　なので、「他には？」と質問して、相手からすぐに答えが返ってこなかったとしても、ちゃんと待ってあげることが大事です。コーチングの世界では、「20秒ルール」というものがあります。なかなか答え　が返ってこなかったとしても、最低20秒はしっかり待ってあげると、相手は安心して自分と向き合い、他の選択肢を探そうと思考を回しますので、是非ひとつの目安になさってみて下さい。

学びと活用のポイント

相手の意識を広げる質問「他には？」

　質問して相手がすぐに答える内容は、相手が普段から考えているほんの「氷山の一角」に過ぎません。抽象的な表現であることも多いです。なので、相手の話をすぐ分かったつもりになって、鵜呑みにしないことが大切です。「具体的には？」とか「〇〇っていうのは？」と質問することで、相手はそれをより具体的に説明しようと、自分の内面に入り込み、だんだん思考が深まっていきます。自分の深いところを、言語化することで、頭が整理され、気づきが生まれます。相手の思考を深めたいときに効果のある質問です。

相手の選択肢を増やし、選択させることで主体性が生まれる！

　「他には？」の質問をすると、相手からアイディアが出てきます。ここで、大事なのは、何か一つアイディアが出たら、それで良しとしないことです。できれば、「他には？」の質問を繰り返し、２つ～３つほど、複数のアイディアを引き出すのがポイントです。後から出てくるアイディアほど、普段考えていないものが多いので、価値があります。で、大事なのは、複数のアイディアの中から「どれが一番いいか」、本人に選択させることです。自分の中から出てきたアイディアの中で、どれが一番いいのか自分で選び取るので、主体性が生まれます。すぐにやりたくなるんですよね。意欲を持って取り組むので、結果が期待できるということです。